●リバーブを使うためのヒント
★リバーブの種類について
昔は、スプリングを使ったり、鉄板を使って物理的な方法で残響成分を生成していました。今のプラグイン・エフェクトのリバーブは、ハードとして実存しているリバーブマシンと同様の効果が得られるようにパソコン上で再現しています。リバーブのタイプも、それら実存した機器のリバーブサウンドをシミュレーションしたものが多いです。プロの現場では、使う素材にあわせて、いろいろなリバーブから選んで使っています。
★リバーブで大切なパラメーターについて
「リバーブタイム」と呼ばれるリバーブの時間を決めるパラメーターは、残響を作り出す空間の広さや、残響そのものの時間の設定のことです。リバーブのプラグインには、必ず設定するつまみがあるので、リバーブタイムを変えるとどんな風に変化するか確認しましょう。一般的には、長くするほど広い空間と同様の残響が得られます。プリセットにも「Hall」や「Room」などがあります。
★ヘッドホンでリバーブの設定をするときの注意について
リバーブ効果は、ヘッドホンで聴いているとスピーカーより深く感じます。ミックスダウンするとき、ヘッドホンだけで設定してしまうと、完成した作品をスピーカーで聞いたときに、リバーブが薄めに感じたり、奥行きのないサウンドに聞こえがちです。出来れば、スピーカーでもリバーブのかかり方を確認しましょう。
★ベース、ドラム(バスドラム)へのリバーブは少なめに
低音域の楽器には、一般的にリバーブは深くかけません。またバスドラムなどリズムの核となる音にも深くかけません。低音域の音色にリバーブを深くかけるとサウンド全体に「もやがかかったような印象」になりがちです。また持続音の楽器より、パーカッシブな音色の方が、リバーブ効果がはっきりと感じられます。リバーブの深さを決めるときは、ソロボタンを使って聴きながら進めましょう。
★基本的に全ての素材にリバーブは必要
サウンドの中に全くリバーブのないパートが混ざると、そのパートだけ、スピーカーから平面状に聞こえるような奥行きのない印象になりがちです。深さに注意して適度に全てのパートにリバーブを付加しましょう。
●リバーブのプラグインによっては、Dry / Reverb とつまみが分かれていることがあります。
Dry →リバーブに送られてきた信号、Reverb →付加するリバーブ信号のそれぞれの音量を調整するツマミです。