■雑談
>どのような活動をなさってたんですか?
今まではアレンジャー(編曲)をしていました。
アンジェラ・アキさんとかの編曲ですね。
DIR EN GREYなんかも参加してます。
>プロじゃんw
プロですw すみません。
>ボーカロイドはどこで知りましたか?
雑誌などの広告でデカデカと載っていたので知ってました。
でも、キャラクターものにちょっと抵抗感がありまして…
>あぁ…
シーケンサーとしてはちゃんとしているモノなので
アレンジャー界隈では盛り上がっていて、勧められてやり始めました。
>ちょっとレジに持って行くのに抵抗があるっていう話は聞きます。
最初は僕もそういう感じでした。
最初は体験版でアップしていたんですが、
ニコニコ動画でグミが発売されるという情報が流れて、
それで発売当日にアップしようという流れがありまして…
そこで上げると人気が出る可能性が高い、とか。
>それはそうですね。かにみそPさんなんかも、発売当日に買ってネットカフェからアップしたとか。
■調教法
僕はボカロエディターではベタ打ちなんですよ。ほぼ、98%くらい。
触るのはGENDERとブレス(息継ぎ)だけです。
>でもダイナミクスとかこっちやった場合の方が楽な場合がありますよ。で、そこからDAWで最終調整するという方法があるんですよ。
>それとブライトっていうパラメータがあってそれとダイナミクスの両方を使うんですよ。だからダイナミクスを上げるときはブライトも上げるっていう同じような上げ方をしていると、アタック感がより、声質も変わるので高域も出る。だからよりつつけるというというとこがあって併用してますね。ほぼ同じカーブを書いて。
>どっちでもいいんですが、このブライトはボカロエディターでしかできない。EQで上げることはできますが、あまりに労力がかかるのではないかな…と。
ピッチベンドとかしゃくり上げはエディターでやらないとダメですね。
>そう、だからどっちでもやった方がいいんですよね。
>どこを一番大事にしていますか?
基本的には抑揚を、デクレッシェンドだったりとか
>ほぼオートメーションとかですよね?
>どんな機種とソフトを?
MacでLogicを利用しています。
このWAVEファイルなんですが。
ベタ打ちしたものをメロダインというピッチ修正ソフトで
一度通してなめらかにしています。
>フリーのピッチの修正ソフトもけっこう出て来たじゃないですか?D-snapとか。あれとか早くていいですよね。リアルタイムでやるならD-snapですよね。
そうですね。あれは早いですね。
>このリージョンが分かれてるのはどういうわけで?
これはですね。タイミングを合わせてるんですよ。
ベタ打ちをそのまま歌ってしまうと、発音が少し遅かったりしてしまうんですよ。それを分節ごとに区切って全部開けてるんです。
それとブレスが重要かなって考えてまして。
別のファイルに用意して…
>差してるんだ。
一個ずつ差してる感じですね。
>でも人によっては全部ブレスを消しちゃう人もいるじゃないですか。
>リアルさは出るものの普通のCDを聞くとブレス入ってませんよね、そこまで。でもボカロの曲ってブレスがいっぱい入っている曲もあるんですけど。でもそれが空気感を出す方向に動くこともあるし…
ジャンルにもよりますよね。
>そうですね。
>昔の本当に昔のMIDIの打ち込みの時代にね、ナイロンギターみたいなね。音色があまりにもらしくないので、フィンガーノイズを入れてね、らしくするっていう手はあったんですよね。それに近いノリですよね。
それで切ったり貼ったり、クロスフィールドを繰り返したりしたのちにオートメーション、ボリュームをですね…
一応コンプレッサー替わりというか、一言一言全てにアタックを付けてますね。本当に微妙なんですけど…
>ただこれがきいてすごくアタックがついてるってわかるぐらいやってしまうと逆に…
あざとい感じに…
>そう、あざとくなる。
>これはボカロエディターでもダイナミクスを使うと似たようなことはできるんですけど。DAWの方が慣れてて使いやすいということ?
そうですね、若干そういう部分はありますね。
>ボーカロイド自体もこういう風になってくれれば…
そうですね。期待したいところです。
■ボカロトラックにかけるエフェクター
一番最初にピッチ補正、やわらかく分からないくらいにかける。
ちょっと遅めにかける感じですかね。
(Logic内蔵、ピッチコレクション)
次がEQ、低音部分はがっつり削ります。
>僕は10キロ以上もばっさり削っちゃうけど。
へー、僕も今度やってみます。
>やっぱハイが出て息っぽくなってますよね。
ちょうどこの4低域くらいの『サシス』くらいが…
>その代わりディレッサーで『サシス』を抜くと。
>>そうですね、この上げて下げるってことはみんなやりますよね。やり過ぎると歯抜みたいなことになっちゃいますし。
>やりすぎると一様に上がっちゃうんで、『サシス…』も余計に強調されちゃうんですよね。だからディレッサーで抑えるという。
その後はコンプレッサー。
WAVESのヤツを使っています。
これはルネッサンスボックスというモノです。
一発でかけられて、メーターが3つです。
これがディレッサー。
高音の『サッ』とか『シッ』とかのノイズをカットする感じです。
高い『さしす…』とかの擦過音をカット、抑える感じです。
>この擦過音ってすごく(音量)レベルを稼いだりするんですよね。
そうですね、いきなりピッと出たりするんで、特に女性ボーカル的なものとか。リキっぽい人の声とかもこれで解消します。
■全体的な流れ
ドライ
リヴァーブ
薄い、遠目の感じですね。
高声域だけ広がるヤツで。
さらにこの下がハーモナイザーかな…
>ハーモナイザーって声を若干膨らませるっていうか…
その後にリヴァーブとディレイをかけるというか。
★おまけ
>高いの使ってますよ!
いや、これも最近安くなってバラ売りしてて…
腹ただしい感じでして…
一個ずつ売りだしていてなんてこったっていう値段で…
僕は昔セットで買って…
(がっくりと肩を落とすとくP)
>バンドルで買うと…あの辺は高いですよね…
>っていうか、昔だったら『WAVES入ってないんだ、ふ~ん』みたいな。なんかあったじゃないですか~
ありましたね~
なんか持ってなきゃいけないみたいなことがあったんで。
>すっごい量入れてすっごい高いのもありません?100万くらいの。
マーキュリー…
>そうそう
どうなんですか? こういうの、楽器全部そうなんですけど。
ギターでもなんでもそうですけど、大体これ以上、例えば5万とか10万以上とか、これ以上は壺と一緒だよみたいな。
>まぁ、使いやすいものであればフリーのでもいいし。
まずはDAWとかに入ってるので始めるのが一番いいのかなって思いますね。それがないと新しく買ったモノの良さってまったく分からないわけですし。って(講座と)関係ない話ですがいいんですか?
>いや、でもミュージシャンだったら誰にでもぶち当たる壁ですから。
もう悩みながら金をつぎ込む人生ですよね…
>ですよね、これ別に普通のやつとブラインドテストしてわかんねーんじゃねーかとか。
>この一個一個さしてるエフェクターって昔一個10万円以上でしたからね。
一個のハードウェアを買って線につないでやっと使える、みたいな。
>スタジオにこうあって…こう一個一個使ってていうことがあって…やっとコンプ買ったよ、とかやっとEQ買ったとか…それが今はこんな感じですから…。
そうです。こうやって横にいくつでもさせるってこれは…
>そうですよ。音楽のDAW環境はまさに革命的なことになってますので若い方はどんどんやってください。