シグナルPの調教法


★オートチューン

ボーカロイドエディターでは
タイミングや発音の修正くらいで
ダイナミクスやピッチの抑揚の部分は
いじらずそのままはきだした(WAVEで出力)
のを使っています。




次に原曲を人間の歌い手さんに歌ってもらったデータに
オートチューンを使ってピッチを読み込みます。

そのままボーカロイドのトラックに持って行き、
ボーカロイドのピッチをオートチューンで取り込みます。

そうすることで、人間と、ボーカロイドのピッチが
重なって表示されます。
で、これを再生すると人間のピッチでボーカロイドが
歌ってくれるんです。

ほぼ完成なんですが、
このままだとけっこうボロボロなんです。

声がふらついてたり、ビブラートが大げさすぎたり
ところどころケロったりして、声がガタガタなんです。

で、こっからが大変なんです…

そのあとはペンタブレットで声をなだらかにと…
手作業で修正していきます。

一個一個確認しながらやっていくので。

ちゃんとやっていくと一曲でおよそ1日半かかります。

>でもこれってタイミングも合わせていかないとダメなんじゃない?

そうなんです。これタイミングあってるから楽なんですが…

>これはピッチだけでいいんだけれど、人間が歌ったのを元にするということは人間のリズムが多少揺れるわけですよね?

そう。だから歌が上手い人、もしくは歌を修正してからじゃないと使えないです。

>歌が上手い人でも感情とか入れるとリズムマシーンみたいにちゃんと歌わないわけで…そこをボーカロイドで合わせていかなきゃいけないって話。


>オートチューンで補正するってものすごく大変なんですよね。

そうですね、だからペンタブレットがあるとものすごく楽になります。あるのとないのとでは全然違います。

>ええ、だからボカロエディターもペンタブレットでやっていらっしゃる方も多いです。


で、どうしても合わない部分って出てくるので、そういう部分はオケで合わせておけばOKってことで。

>じゃ、あのしゃくりあげって人間のピッチそのままですね。



★オートメーション

そしてもう一つ。
ボリュームのオートメーションです。

>…この線は何を元に引いたんですか?

これは感覚…耳を元に書きました。

>なるほど、フィジカルコントローラー。

リアルタイムでやってから、後で修正します。

★イコライザー

PRO Q イコライザーですね。

ローカット(200から下がない)
ここらへんは音質に影響しないんで
他のオケの邪魔に、聞こえない部分で邪魔しちゃうんで。

>けっこうボカロのEQって下をガンって落としますね。

これ意外とローカットしなくても
聴感上変わらないんですが、
最後に2ミックスにした時に存在するので
音圧が上がりにくくなったりする弊害が
出てきてしまいます。

それとモコモコした部分と
耳に痛い部分をカットしています。

★ディレッサー

『さしすせそ』の耳にツーンとくる部分を補正します。

★コンプレッサー

Z NOIZE

ノイズをカットするプラグインなんですけど、
グミって超広域あたりが超ザラザラして
息の部分をEQでローをカットして
高音の美味しい部分を上げるとそこが耳につくように
なってしまってうので…

これはもともと『サッー』っていうノイズを
カットするためのプラグインなんですけど

>ホワイトノイズとか?

そうですね。

>これは純正じゃないですよね?

これはWAVESです。

>あぁ、WAVES持ってることはプロ中のプロですよね?


■子音が消えちゃって

これエディター上で聞こえていても
オケに持って行くと…

>そう 子音が消えちゃって何を言っているのがわかりにくくなっちゃうんです。特にシンバル、ライトシンバルなんかと被っていると子音が潰れますから。

■ショートディレイ

リアルの歌声にはかけるけど、ボカロにはかけないなってのはありますか?

>リアルのボーカルにはめったに使いませんが、ショートディレイですかね…
ホント、タイム10ミリセックくらいのを軽くかけると
その分 子音がダブルになって目立ったりとかします。

あぁ、やっぱりね。子音とかね、はっきりさせるために使うエフェクトってあるんですよね。

人間の声だったらそこは逆に、目立つからディレッサーで減らすとか。リップノイズが入るからそこはカットするとか、VOCALOIDはリップノイズが入らないですからね。

>だからリアルのボーカルでは削るものを逆に足してあげることで…

そうヴァーチャライズなんですよね、人間の耳をごまかすというか。