#MIXとは?
「決められた器の中にいかに上手に各楽器を配置するか」である。
#音楽の器とは?
立方体の器を想像するといい。
上下が音の高低。左右がパンポット。
前後が奥行きを示す。
その空間に様々な楽器をバランスよく
隙間なく音を埋めていくことになる。
#どうやって配置するの?
音量バランスをとった後に
PAN(左右どちらから聞こえるか)を設定
↓
帯域のすみわけ
↓
奥行きの設定
という順序がわかりやすくていい。
#音量
音量は大きければ大きいほど
たくさんスペースを取る。
だから音量バランスを取ることで
各役割の優先順位を決めることになる。
わかりやすくいうと
お弁当にどんなおかずをどのような
配分で盛りつけるかを考えるのと似ている。
#PAN
音の位置を決める。
左にご飯
右に唐揚げとサラダにする
…といった具合に
盛りつけ位置を決めていく。
けれどもこの段階では
まだ隙間が多く
スペースが空いていたり
はみ出している部分も
出てきてしまう。
そこで必要になってくるのが
EQやコンプレッサー。
「帯域の棲み分け」処理を
ほどこすことになる。
#こんぷれっさー?
弁当で例えるなら
おかずを限られたスペースに
ギュッと詰める作業である。
たとえばこの弁当箱の図では
ちょっとギターがはみ出している。
コンプレッサーを利用することで
ギュッと圧縮して器の中に
キレイに詰めることができる。
しかしデメリットもある。
圧縮してしまうと
音色自体が変化してしまう。
注意しながら処理していこう。
#EQ:イコライザー
次にEQで棲み分けをしていく。
形はコンプレッサーで整えたが
ところどころ音が被っている部分がある。
不必要に被っている部分を無くすことで
さらにキレイに音を奏でることができる。
#ベース音
実はベース音は
低音だけ出てるわけではなく
中音域の音もかなり含まれている。
そこで 人間に聴こえない部分
無駄に鳴っている部分の音を削り
特徴となる帯域を押し上げることで
音程の役割分担をハッキリさせていく。
キチンと棲み分けができると
空間にも余裕が生まれて
各パートの音を混ぜやすくなる。
#ボーカル音域
ボーカルの音域は特に広いので
他の所とぶつかりやすい。
そこでEQで各楽器の
ほとんど聴こえない部分を
カットして不必要に被っている
部分をどんどん無くしていくことで
キレイに聴かせることになる。
#リバーブ
最後にリバーブで
楽器の奥行きを調整する
つまり四角形の箱のどのくらいの奥で
楽器が鳴っているかを調整することである。
リバーブをかければかけるほど
音は遠くで鳴っているように聴こえる。
#全体の流れ
トラック整理
↓
音量調整(音量、PAN調整)
↓
圧縮(コンプレッサー)
↓
帯域棲み分け(EQ)
↓
空間処理(リバーブ)
もしくは
トラック整理
↓
音量調整(音量、PAN調整)
↓
帯域棲み分け(EQ)
↓
圧縮(コンプレッサー)
↓
空間処理(リバーブ)
という人もいる。
#MIXのわかりやすい効果
音が大きくなる。
各パートの輪郭がハッキリしつつ
よりしっかりと混じり合うことになる。
いわゆるCDみたいな音になる(╹◡╹)
#手順
MIXを始めるにあたって
まずトラックの整理を行う。
ドラムが全部まとめて
1トラックに
まとまっている場合は
トラックを
バスドラ、スネア、ハイハットと
楽器ごとに分けてしまう。
そうすることで個別ごとに
細かくEQやコンプといった
エフェクト調整ができる。
かなり手間暇がかかる作業だが
クオリティはグッと上がる。
#注意点
「アレンジ」がごちゃごちゃで
各パートが何をしたいのか
明確になっていないと
「MIX」は成立しない。
作曲・アレンジが
キチンとしていなければ
MIXも成立しないということ。
あくまでもMIXは「盛りつけ」である。
盛りつけは重要だが
そもそも味が悪ければ
どうしようもない。
逆にしっかりした
アレンジされた
楽曲であれば
MIXは2,3時間程度で
完璧に仕上がる。
#第11話:とってもとっても濃い空間